データサイエンスセミナー開催レポート Vol.3 デジタルマーケティング領域におけるデータサイエンス活用法 ~デジタルマーケティング×データサイエンティスト~
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データサイエンスセミナー開催レポート Vol.3 デジタルマーケティング領域におけるデータサイエンス活用法 ~デジタルマーケティング×データサイエンティスト~
2017年10月24日(火)に「デジタルマーケティング領域におけるデータサイエンス活用法 ~デジタルマーケティング×データサイエンティスト~」セミナーが開催されました。
デジタルマーケティングの最前線で活躍する現役のコンサルタント舟山氏が業界の知識を発表しました。
今後WEBやメール、アプリ、SNSなどを通してマーケティング活動をおこなってく企業担当者が知るべき、セミナー内容をご紹介します。
舟山氏の自己紹介・プロジェクト経歴
日本大学大学院で電気工学修士号取得後、2016年に株式会社エル・ティー・エスに入社しました。入社後より製造業IoT領域やマーケティング領域におけるコンサルティング業務に従事しており、市場調査支援やデータ分析支援プロジェクトを経験しています。「SQL」を用いたデータの収集・加工から、統計ソフト「R」「Python」を用いた統計学的分析をもとに、マーケティング施策策定支援を現在では主に担当しています。
>デジタルマーケティングとは
デジタル領域で得られるありとあらゆるデータやタッチポイントを活用したマーケティングを「デジタルマーケティング」と定義しています。SNSやモバイルアプリの普及に加えて、モノのIT化(IoT)によって既存のマーケ―ティングの考え方がかなり変わってきています。たとえば、2010年頃まではWEBサイトに閉じた概念である「WEBマーケティング」が多く検索されていました。2014年頃からはより広い概念である「デジタルマーケティング」の検索数が伸びてきました。(参考:Google Trends)
この背景には扱うデジタルデータ量の増加と、分析作業に膨大な時間がかかること、そしてターゲットを絞って施策を行わないと結果に結びつかない(そのために計測結果をもとにしたマーケティング戦略の策定が必要)ことが挙げられます。理想的なデジタルマーケティング活動を図で整理したのですが、(下記図参照)
ある程度情報収集ができたらゴールを設定することが重要だと考えます。
「デジタルマーケティング活動を効果的に進めるには、
データ分析によるフィードバックと細かな戦略の見直しが重要」
そのためには、「分析体制の整備」が必要
デジタルマーケティングを支援するシステム/テクノロジー
計測作業の複雑化と扱うデータ量の増加にあわせて国内外でさまざまなオートメーションツール(計測・分析をおこなうための自動化ツール・ソフトウェア)が提供されています。
2011年に150社あったマーケティングテクノロジー取り扱いの企業数は2017年の時点ですでに5000社に増加しています。
これらの会社によって提供されているマーケティング支援ツールはさまざまな種類に分けられます。
また、これらの企業が提供しているマーケティングオートメーションツールにはいろいろな種類や機能がありますが、特化している部分に応じて大きく分類すると以下の3種類に分類できると考えています。
デジタルマーケターの仕事
デジタルマーケティングにおける業務にはWEBサイトやアプリの構築からそれらへの集客活動、そして顧客との接点を管理するCRM業務などが含まれます。すべての業務に共通するのはさまざまな形のデータを分析・理解し、得られた知見を次のマーケティング活動に生かす必要があることです。
私自身、日々の業務でおこなっていることはデータの分析作業がほとんどで、デジタルマーケターとはある点ではデータサイエンティスト(データを集め、分析し、業務に生かしていく役割)なのではないかと考えています。
データサイエンティストは一般的にはあらゆる種類の膨大なデータから役に立つ情報をまとめる役割があります。
ここでのポイントは統計学や分析手法に知識が偏っていると業務の観点で役に立たないことがありがちなことです。あくまでも実際のビジネスを理解したうえで分析することが成功させるもっとも重要なポイントとなると考えています。
「①ヒアリング」ではどのような成果を得たいのかを現場を巻き込んで話し合い、検証をおこないます。
「②データアクセス」は関係部署、あるいは担当者と連携しながら必要なデータにアクセスし集めるステップとなります。
そして、「③データクレンジング」では集めた様々な形式のデータを整理します。ここで重要なのは必要なデータを見極め、異常値を排除しデータを結合していくことです。デジタルマーケティングにおけるプロセスの中でも、さまざまなデータ・異なる形式を整理する必要があるため最も時間がかかります。全体の70%といっても過言ではありません。
「④加工/集計」においては仮説に対して答えとなるデータを整理します。
「⑤可視化」をおこないきれいに整理が済んだのであればデータサイエンスプロセスは終了です。
ただし、1回の流れできれいに答えとなる見識がでるとは限らないため、「⑥質問」や「⑦機械学習/統計」のステップを何度も繰り返し解を探っていきます。
実際に導き出した見識を生かしてなにかしらの施策に落とし込むわけですが、その施策のパフォーマンス計測も重要な作業の1つです。その際には施策内容にもよりますが結果が出るまでに時間がかかるものと理解したうえでパフォーマンスを分析する必要があります。
また、計測の際には事前に決めておいた本質的に意味のある指標を適用し、計測していくことが重要です。計測項目数はシンプルに絞って設定すると良いでしょう。自分たちの業務の全体像を整理・可視化したうえで重要KPIを設定するとうまく考えが整理できるはずです。
どの業務でもそうですが、特にデジタルマーケティング活動では業務側(業務の担当者や責任者)と分析側(マーケティング担当者やデータサイエンティスト)で課題仮説をぶつけ合うことが重要です。その中でイノベーティブなアイデアに繋がり、重要な観点の抜け漏れを防ぐことができると私は考えています。
デジタルマーケティングの活用事例
事例1
Webコンテンツ展開による反響分析をおこないました。コンテンツがどの程度PVの増加に寄与したのかを分析し、季節要因などを踏まえて予測を行うことで、今後の傾向を可視化しました。(自分たちの施策の影響を分析することに使う)
事例2
購買行動モデリング分析としてアンケートの回答データとリードスコアデータ、そして売り上げ/商談データをあわせて購買モデリング分析を実施。マーケティングオートメーション(MA)のスコアの考え方を組み込みモデル化しました。
事例3
営業担当者の効率性を分析しました。営業成功の要因として考えられる条件と実際の成功率のデータを分析し、成功に影響を与える要因を導きました。