※機能やサービス内容については、記事掲載当時の内容になります
妥協する前に視点を変える。営業担当と共に考える、良いパートナー調達とは
三輪基博様 ヴァイタル・インフォメーション株式会社 業務推進部パートナー推進課
東京と大阪で異なるシステム開発事情
アサインナビ角田(以下、角田):本日はお忙しい中お時間いただきありがとうございます。御社の業務について教えてください。
三輪様(以下、三輪):弊社は主に常駐型の開発業務をおこなう会社で、東京オフィスに所属する120名の内、105名がお客様先に常駐してシステムの開発や保守をおこなっています。SESとしての常駐型のシステム開発はもとより、クラウドインテグレーション(SalesforceやAWSなどのクラウドプラットフォームを活用した開発)や、企業向けの組み込み開発、そして官公庁や医療機関向けのIoTシステム開発を得意としています。大阪にも東京と同じ規模のオフィスを持っており、エンドユーザー直で受注する組み込み開発やIoT系の案件に関しては、大阪でより多くの引き合いをいただいています。そのため大阪オフィスには120名以上のエンジニアが所属しており、大所帯の開発機能を有しています。管理機能を持つ東京では、主に大手のSIerやコンサルタントファームと組んだ常駐型の案件の引き合いが多く、ビジネスのモデルが若干東京と大阪で異なっています。
今後は東京でも弊社開発のシステムをエンドユーザーに直接導入したり、IoTソリューションを提供するなどして積極的に東京でもサービスの周知をしていこうと考えています。「新たな事業づくり」が私自身のミッションであるので、これをパートナー推進を通して進めていく予定です。
パートナー推進担当としてのミッション
角田:業務推進部のパートナー推進担当として具体的にどのような役割を担っていますか。
三輪:まず、弊社の組織をご説明します。東京本部の中には大きく、営業部と業務推進部が存在します。私が所属する業務推進部の役割は営業支援です。お客様先や社内で開発を実施するメンバーは所属する案件に応じて、アプリケーション開発のチーム、インフラソリューションのチーム、そしてビジネスソリューションのチームに流動的に所属することとなります。私の所属する業務推進部は主に営業部を相手に新規パートナーの紹介や人材調達、そして契約書作成などの営業事務をおこなっております。新規パートナーの獲得やパートナー企業に所属する人材の調達を主な業務とするのがパートナー推進課であり、私の役割です。
角田:営業担当の方に対してお仕事をされているということでしょうか?
三輪:面談や人材の引き渡しの際を除いて、私が直接お客様とやり取りすることはありません。稀に機会がある際には現場の状況やお客様の潜在的なニーズなどを探るようにしていますが、あくまで現場と営業部門の担当者を窓口として立てています。
仕事の流れとしては、営業担当が新たな案件の依頼を受けて社内のエンジニアで対応できない場合に、人材調達の依頼を受けます。パートナー企業の人材を提案することをお客様と確認が取れた上で、既存のパートナー企業に声をかけ、同時にアサインナビを利用してエンジニアを探します。
また、過去につながっていたパートナー企業のエンジニア稼働が空くタイミングで私の方から現場の担当者へアサイン可能な案件の調整を依頼する場合もあります。現在は4名の営業担当がおり、彼らとは常に案件や人材情報を共有するようにしています。
新規のパートナー開発にアサインナビも活躍
角田:必要とされた際にタイムリーに人材を提案するため多くのパートナー企業とつながっている必要があるかと存じます。御社はどのように新規のパートナーを開拓されているのでしょうか。
三輪:すでに付き合いのある既存パートナーを通した出会いに加えて、常に新しいパートナー開拓の機会を作るようにしています。弊社はお問い合わせやアサインナビ上のメッセージでパートナー連携のお話をいただくことが多く、そこから新規のパートナーとして商談につなげています。
ここで気を付けているのは先入観を持たずにどのような企業でもフラットに対応することです。業務領域やスキル面でマッチしなくても、将来なにかのご縁があることも見越して一度会って情報共有をさせていただくようにしています。先日はアプリゲーム開発の企業の方とお話をさせていただいたのですが、業界を超えた情報交換は視野を広げたり、その領域の市場を知るという意味でとても有意義な時間となりました。
また、取引開始時は社長1名だった企業が、取引させていただく中で社員を採用しオフィスを増床し、成長していくケースも見てきています。今では弊社の重要なパートナー企業となっています。こうしたケースもありますので、先入観を持たず、お問い合わせいただいたすべての企業とまずは会うようにしています。
角田:御社とアサインナビとのつながりは2015年からですが、どのようにパートナー開拓をされていますか。
三輪:アサインナビを活用するにあたって弊社は自社名を公開し、掲載する案件も選んでいます。2015年に無料で試しに使ってみて実際にパートナーの調達やエンジニアの調達に成功してから、パートナー開拓に役立っている印象です。時々メールで通知される新着の人材情報メールの中に気になるキーワードがあれば目を通すようにしています。
また、不定期で交流会に参加していて、アサインナビが開催するIT人材交流会にも過去に参加させていただきました。その場でよい提案があり、すぐに商談につながったケースも過去にあります。
ヴァイタル・インフォメーション株式会社 ヴァイタル・インフォメーション株式会社に2005年に入社後、営業部を経てシステムインテグレーション事業本部の東京本部で現在はパートナー推進を担当。業務推進部に所属し、現場営業への営業・調達サポートを通した事業づくりを主なミッションとされています。柔らかな関西弁を話される方でした。 |
営業担当に頼りにされる「人材調達業務」
角田:社員やパートナーの人材を営業担当の型に提案する時に、気を付けている事などがあれば教えてください。
三輪:さきほど説明した通り、現場から人材調達の依頼が私に届くのですが、その際に必要な情報をしっかりとヒアリングするようにしています。システム開発の案件であれば、使用言語やスキル要件、そして現場のニーズを確認しています。
現場のニーズに関しては大きく2つの種類があります。1つ目はリソースが足りないことによる外部人材のニーズです。2つ目は現場体制拡大に伴う外部人材のニーズで、担当する領域を広げたり、現体制で足りない技術を補うという類の調達依頼です。人材を調達する際に私が注意しているのは、これら現場のニーズを正しくくみ取ることです。
また、現場の案件元からの人材要件通りのエンジニアを見つけるのは現在の市況を踏まえるとかなり難易度が高いのですが、スキルがある方であれば他の条件が多少マッチしていなくても現場に紹介するようにしています。案件元や現場のニーズを理解したうえで、「役に立つ」と私が判断した人材は条件からずれていたとしても、理由を添えて提案することが重要だと考えています。現在の人材不足の市況では、単価や年齢、国籍といったすべての条件が100%マッチすることは少ないので、正直にその市況感とその人材のセールスポイントを説明し、お客様に納得していただけるように営業担当を通して提案するようにしています。
角田:単価などの条件が多少マッチしない人材を、どのように営業担当の方に伝えているのですか。
三輪:単価の場合、市場の相場を伝えて、営業がお客様と交渉するための情報を話しています。その際、アサインナビに登録されている人材の単価を参考にしています。キーワードや検索条件を設定して人材を検索すると、その条件で表示される単価感を把握することができます。人材不足の状況はご理解いただいているので、「ご希望のスキルセットの人材の適切な単価は○○万円です」という客観性を持った数字を提示した交渉ができます。正しい単価の訴求をしていくために数字で説得すること、そして事前にお客様側のニーズの強さやプロジェクトの雰囲気に関する情報を集めることで適切な交渉ができると考えています。
アサインナビ活用から4年間で起きた変化
角田:アサインナビはどのように御社のお役に立てていますか。
三輪:アサインナビに掲載されている情報や、そこから発生する出会いによって、対外的な情報交換ができる機会に恵まれるようになりました。また、市況や業界の動向によりクイックに対応できるようになりました。私自身の視野を広げたり、業界の動向を知るという意味でも大変役に立っています。
会社としてもパートナーの開拓によって業務の規模が拡大しており、自社社員と外部リソースの割合は現在は3対1の割合で自然に増えている状況です。また、自社で抱える外部パートナーを東京-大阪間で共有するような活動も進めていて、より流動的な人材調達の基盤が出来てきたと考えております。
外部リソースの活用が社内でも認知され、営業チームは頻繁にパートナー企業に訪問するようになりました。私の業務もこれまでと比べ増えてきたように感じます。
角田:アサインナビが今後もお役に立てるように我々も日々サービスを改良してまいります。本日はお時間いただきありがとうございました!
アサインナビを新規パートナーの獲得だけではなく、営業先への人材の提案にもご活用されているというお話をお伺いしました。与えられる条件を機械的に当てはめるのではなく、現場のニーズをしっかりと把握したうえで「役に立つと信じる人材を提案する」という調達部門の姿勢が昨今の人材不足の市況の中では必要であるように感じられました。三輪様、貴重なお時間をいただきありがとうございました。
アサインナビ津田 = 文 アサインナビ角田 = インタビュー