品質マネジメントとは?品質基準の定め方、品質確保、最終検査のポイント

顧客満足を満たすためにもプロジェクトの成果物の品質は大事です。今回は、品質マネジメントにおける、品質基準の定め方、プロジェクト工程での品質確保、最終検査の3つのプロセスにおけるそれぞれのポイントをまとめました。

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プロジェクトにおける品質の考え方

一般に品質管理というと、テストで検出された不具合の数の集計やバグのデータを基に品質の良し悪しの把握といった品質判断のことを思うかもしれませんが、それはあくまで品質マネジメントの一つの側面です。

プロジェクトにおける品質の考え方は、成果物の品質を目標とする基準に合致させることを目的とし、プロセスの質を高めることにあります。プロジェクトの各工程において、一貫した品質確保の仕組みに従って、品質を測ることで、品質を劣化させない取り組みが品質マネジメントです。

品質マネジメントの重要性

顧客に成果物を納品すると、プロジェクトは集結します。つまり、その後の品質保証に関わることはできません。

仮に、リコールなどの問題が発生すれば、開発費以上のコスト負担も起こり得ますので、品質の基準を確保できるよう努めなければなりません。そのような事態にならないためにも品質管理は、プロジェクトマネジメントにおいて重要事項と言えるでしょう。

今回は、品質マネジメントにおける、品質基準の定め方、プロジェクト工程での品質確保、最終検査の3つのプロセスにおけるそれぞれのポイントをまとめました。

品質基準

プロジェクトにおける品質基準とは

プロジェクトマネジャーは、顧客からの「良いものを作ってほしい」という曖昧な要望に応えなければなりません。そこで、最終的に納品する成果物が「良い」とされる基準を顧客との間で明確にしておく必要があります。

まずは、自分なりの基準を作って、予算と納期も含めて、いくつかのパターンを提案します。一般的には、より高品質なものになればなるほどコストがかかります。顧客に投資対効果を考慮していただいたうえで、プロジェクトの成果物の品質基準を定義します。

品質基準のポイントは、顧客のニーズに見合っているかどうかです。よく開発者は、限られた予算で、できる限り良いものを作ろうとしがちですが、それは顧客の要望に応えているとは必ずしも言えません。

  • 品質基準の上限を設定しておく
  • 品質基準の考え方には、最低基準だけでなく上限押さえておく必要があります。ある基準に到達したら、それ以上の品質は求めないといった「ある基準」が設定すべき品質基準となります。

    どういうことかと言うと、ニーズ以上の機能を備えたとしても、それが必要でなければ売れないのです。「そんな機能を付けるぐらいなら、その分安い方がいい」という批判の声があがったりもします。

    せっかく良いモノを作っても、ユーザーが使いたいモノになっていなければ、何の役にも立ちません。付加価値として、いろいろな機能を装備した商品も世の中には出回っていますが、それらの機能を全て使いこなしている人を見たことがないのが実情です。

  • グレードと品質のバランス
  • 「品質」と混同されやすい言葉に「グレード」があります。グレードとは、機能を飾る特性のことです。

    例えば、多機能を備えたソフトでも、使いづらかったり、機能自体は優れていても、すぐに壊れたりしたら、それは「高グレード、低品質」であり、単一機能だが、頑丈で長持ちするといった場合なら、「低グレード、高品質」となります。

    つまり、グレードと品質のバランスが重要なのです。ユーザーの特性やニーズに見合った顧客満足を満たす成果物を目指さなければなりません。

    プロジェクト自体の質が成果物の品質につながる

    成果物の品質

    プロジェクトの作業工程では、度々品質チェックが行われます。品質の状況に応じて、その都度対策を講じていくことになりますが、それだけでは真の品質向上には不十分です。品質を劣化させる要素を元から断つためには、プロジェクト自体の質を上げる仕組みが必要です。

    品質劣化が激しくなるプロジェクトでは、立ち上げ時の計画時点で見込みが不十分なため、ヒト、モノ、カネといった必要な資源の確保ができず、プロジェクトの体制が整っていないことが大半です。

    プロジェクト自体の質が成果物に影響します。例えば、見積もりを大幅にミスってしまえば、予算不足が生じたり、スケジュールに無理が生じたりします。また品質劣化を解消するためのコストや期間にバッファを設けていなかったため、対策を講じられない状況に陥ることもあります。

    こうした状況にならないためにも、プロジェクトマネジャーは、各工程において、プロジェクトの管理を徹底し、品質確保に努めなければなりません。

    プロジェクトにおける検査の目的とは

    出来上がった成果物は、出荷や納品前に最終検査を受けます。よく、検査によって成果物の品質が高まると思っている人がいます。確かに検査結果を開発にフィードバックすることで、PDCAサイクルをまわし、改善されることはあるでしょう。

    ですが、成果物の品質を高めるために行うことは、作業工程の改善であり、改善されたルールの通りに作業すれば、必ず品質基準を達成できるという考え方をすべきであり、検査の目的とは主旨がずれます。

    本来、検査の目的は、成果物に含まれる不具合を次の工程に渡さないことです。最終検査の次の工程では、成果物は顧客側にあるので、それ以上の品質改善はできません。顧客に品質基準に満たないものを納品しないように識別することが検査の目的です。

    人間ですから、間違いやミスが起こることもありますが、そのためにも対策を立て、悪いものを出荷しないように取り組むことです。

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