コンサルタントに初めて仕事の依頼をする場合、どのような流れで進むのかわからず不安になるもの。また、既にコンサルタントを活用していても、今の方法が正しいのかわからない。そんな方々へ、今回はプロジェクト進行の流れについて紹介いたします。
コンサルティングのプロジェクトの進め方1 開始前
コンサルタント自らが、企業の経営層や現場の部門長に営業をかけます。
営業スタイルは、経営層向けにセミナーを開催したり、クライアントからの紹介、経営者が交代した時や株式の公開のタイミングで企業の経営コンセプトに合わせた売り込みをしたりと様々です。
依頼があってもほとんどの場合がコンペティションになるため、経営コンセプトに合わせたプロジェクトの内容をまとめ、プレゼンテーションを行います。
コンサルタントに必要なスキルの1つとして、プレゼンテーション能力があげられます。
プレゼンテーション能力はコンペティション時だけでなく、プロジェクト開始後にも必要になります。
コンペティションを勝ち抜いた後、現場のスタッフ(経営企画室・情報システム部門など)と具体的な課題と成果のイメージを共有します。
プロジェクトメンバーやプロジェクト開始のタイミングと期間、予算などをまとめてクライアントにプレゼンテーションを行い、クライアントに提案が承認されるとプロジェクトが開始されます。
コンサルティングのプロジェクトの進め方2 開始後
プロジェクトチームの体制は、クライアントへプレゼンテーションを行ったコンサルタントを中核に、コンサルティングファームからプロジェクトマネージャー1名とコンサルタント数名~数十名がアサインされます。
クライアントからも情報システム部門や経営企画室のスタッフ、CIOなどが加わります。
キックオフミーティングで顔合わせを行い、クライアントに作業場所の確保や必要な資料の提出をお願いします。
提出された資料を基に課題に関する事業や組織、業務の分析を行います。
この時コンサルタントには、クライアント企業が業界でどのような位置にあり、競合がどこの企業なのか、業界市場がどのような動きをしているかという知識が必要です。
資料が膨大になるため、経営数値や営業実績、財務数値などの数字を、ざっと目を通しただけで分析できなければ期間内にプロジェクトを成功させることができません。
また、経営状況を知るためには、クライアント企業が扱う製品やサービスがどのようなもので、どのような強みや弱みを持っているのかを知っている必要があるため、一消費者として製品を使用したり、実際にサービスを体験することもあります。
資料の分析と同時進行で、クライアント先で業務を担当している現場スタッフからヒアリングを行います。
ヒアリングはトップマネジメントからパート社員まで、課題解決に必要だと思われる人にヒアリングを実施します。
プロジェクトの規模が大きくなると、それだけヒアリング対象者の数が多くなるため課題の解決に関連する必要な話を集中的に聞きます。
集めた資料とヒアリングの分析結果から、現在の業務プロセスをフローチャートやUMLなどで図式化し、現在の問題と業務プロセスの改革と標準化するための解決策について仮説を立て、仮説に基づく調査と分析を行い、仮説を検証します。
業務プロセスの「統合・廃止」「簡素化・削除」「確実化・厳密化」「集約・集中」「効率化・自動化」「アウトソース」を1つずつ図式化し、業務が効率化されない場合はまた別の方法で再度検証を行うことを繰り返して、クライアントの業務プロセスの改革と標準化の道を探ります。
現在の問題と解決の方向性をクライアントに報告するのが中間報告会です。
ここではパワーポイント等で作成した十数枚の資料を使って報告を行い、クライアントから合意を得られれば、改革と標準化するための解決策のプラン作成に取りかかります。
クライアントの合意後、問題を整理してチェックを行い、必要に応じて資料の収集・分析やヒアリング等を行いながら、解決策を絞り込んで実行プランを作成します。
この作成プランを最終報告会で発表し、方針を決定してプロジェクトが終了します。
コンサルティングのプロジェクトの進め方3 実行と定着
最終報告会で報告した方針ですが、実行するにはクライアントの理解が必要です。
業務担当スタッフの中には、従来の業務プロセスで慣れているため新しい業務プロセスに対して反発されることもあります。
そこでコンサルタントは経営層を含む社内の調整、専門知識とリーダーシップを駆使して社内スタッフを説得し、やる気を引き出します。
改革と標準化の方針に従って、システムの構築を行います。
パッケージの選定や必要に応じてカスタマイズを行います。
クライアントの情報システム部門や経営企画室のスタッフ、CIOと導入や社内展開について打ち合わせを行い、導入時のサポートを行います。
プロジェクト実行後も定期的に訪問を行い、定着しているか、新たな問題が起こっていないか、データを分析してさらなる効率化を図るなどフォローも行います。
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