企業の経営効率を高めるBPOという戦略オプションとは/コンサルタント

企業にとって、BPOは自社で取り組むよりも、より低い業務コストで高品質のサービスを調達できるという企業経営にとって重要な戦略のオプションひとつです。

今回は限られた経営資源をしかし経営効率をあげる、BPOの仕事について説明します。

■目次■

企業がBPOを導入する背景

現代の企業経営では、限られた経営資源を自社の戦略分野に集中投下することが求められています。このようにして経営効率を図り成果を上げていかなければ、変化の激しい現代を生き抜いていくのは困難な時代となったからです。

そこで企業は、自社の競争優位にあまり関係のない分野への投資は控え、アウトソーシング(BPO：Business Process Outsourcing）を採用する企業経営に乗り出します。

経理は会計事務所や税理士事務所に、事務仕事は派遣社員に業務委託することはすでに一般的に行われていますし、ITやマーケティング、コンサルタントなどの専門性の高い分野においてもアウトソーサーを活用する傾向にあります。

スピードが要求される現代の企業経営では、「餅は餅屋で」と言われるように、自社ですべてをまかなうよりも、外部の専門家リソースを活用した方が、仕事の効率、スピード、品質、どの点においても優れた成果を出してくれます。

アウトソーサーはその分野のプロであり、素人が行うよりも効率的に仕事をこなしてくれるのです。また、そのおかげで社員は自社の重要な仕事にフォーカスできるようになる点もBPOがもたらすメリットの一つと言えるでしょう。

企業にとって、BPOは自社で取り組むよりも、より低い業務コストで高品質のサービスを調達できるという経営戦略のオプションひとつです。

仮に経営資源を豊富に有しない中小企業であっても、BPOを上手に活用すれば大企業と対等に戦っていくことを可能にしますし、逆に人材活用が上手くいっていない大企業もBPOを活用することで、人材の最適配置をすることができ、より高い経営効率を可能とします。

BPOは企業の必要とする業務の過不足を補い、経営をサポートする存在なのです。

企業がBPOの導入を検討するときは、設備と人材をどう組み合わせてアウトソーシングするかという目的と効果を考慮します。

設備は自社で持ち、人材だけをアウトソーシングで調達するケースやその逆もあれば、人材も設備もアウトソーシングという場合もあります。一般に中小企業は資源不足、大企業は資源豊富という図式ですが、現代の企業経営においてリソースを抱えているかということは、競争力に関わる大きな問題とはなりません。

当然、経営資源が豊富な方が、より大規模なプロジェクトに挑みやすいですが、その反面、抱えることでコスト高となり、それ自体がリスクとなることもあります。業務に必要な最適なバランスでリソースを抱える健全な経営を行いうことが、強い企業の特徴です。

例えば、新規プロジェクトにおける設備投資についての経営課題を検討してみましょう。

このプロジェクトにおいて設備投資をすべきなのか否かを検討するにあたって、時代背景、成長性、自社のコアとなるプロジェクトとなるのかなど先見を検討した結果、長期的な収益が見込めるのなら、自社リソースとしてコントロール出来た方が経営効率は高いと考えていいでしょう。

こうした場合なら、設備投資は正しい決定と言えます。しかし、長期的収益の見込みが低いもしくは不透明と予見するのなら、アウトソーシングする方が賢明です。変化のスピードの速い現代では、得てして後者のように先行きが見えないことが多くあります。

そういう意味でも、自社で設備も人も抱えるのはどちらかと言うとリスクになると言わざるをえません。大企業ならともかく中小企業は、「もたない経営」を目指し、BPOという戦略オプションを上手に活用すべきというのが、これからの経営戦略でしょう。

中小企業は「持たない」ことによって、BPOにより優れた人材やサービスを手に入れることもできます。BPOは、より経営効率の高い企業経営をもたらすものであり、これからの企業経営にとって重要な戦略オプションと言えます。

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