アプリ開発を行う際の注意すべき8つのポイント

フリーエンジニアの気になる年収 - スマートフォンアプリ開発エンジニア

アプリと一言で言っても、スマートフォン、タブレット、ガラケー、iPod Touch、Apple Watchなどいろいろの機種で動作するものがあります。あなたの会社がアプリ開発の案件を受注した場合、あるいはアプリを自社製品として開発することが決まった場合、注意すべきは何でしょうか。今回は、アプリ開発の案件の際に注意したいポイントをご紹介します。フリーランスや個人事業者の方も同様です。

アプリ開発ガイドライン

AppleのiOS用にしろ、GoogleのAndroid用アプリにしろ、その他のOS用にしろ、それぞれのOSの提供企業は、ソフトウェアの開発ガイドラインを公開しています。

・Apple iOS
iOS Human Interface Guidelines
App Store Review Guidelines
・Google Android
Google Playアプリのポリシーとガイドライン

アプリの開発を行う前に必ずガイドラインを読みましょう。日本語版もありますが、できるだけ原書の英語版を呼んでください。そちらの方が正確です。
ガイドラインには、アプリとして受け入れられない(つまりリジェクトされる)事項が書かれています。リジェクトされても、リジェクト通知の中で理由を教えてくれますので、問題箇所を修正すれば良いのですが、時間がかかりますし、重要なユーザインタフェースの見直しともなれば、クライアントの許可を得るのに苦労しますし、納期が遅れるかもしれません。
例えば、iOSの場合、個人情報の扱いには厳しいので、アプリ内で生年月日を入力できなかったりします。

アプリ開発環境の選択

開発するアプリのタイプ、および開発者の能力に応じて適切な開発環境を選択しましょう。
標準開発環境は、iOS用の場合はXcode、Android用の場合はAndroid Studioです。iOS、Androidなど複数のOSに対応するアプリを開発する場合には、クロスプラットフォームの開発環境も選択肢です。ゲーム系では「Unity」「Cocos2d-x」、ゲーム以外では「Xamarin」「Cordova」などです。クロスプラットフォームの開発環境を使用する場合には、各OSのバージョンアップへの対応が遅い可能性もリスクとして考慮しましょう。機能設計までは共通に作成し、詳細設計からXcode用、Android Studio用と別々に作成しプログラミングも分けると言う方法もあります。標準開発環境を使用した方が、クロスプラットフォーム環境より、各OS用のカスタマイズが楽です。

マーケティング

アプリ開発においても、基本的には他のソフトウェア開発と、マーケティングに違いはありません。
アプリやサービスの開発に関しては、UX(User Experience)デザインが注目されています。ユーザの目的や欲求の達成を意味します。UXデザインは必ず習得することをおすすめします。

アプリマーケティングのチェックポイント

  • 売り上げ
  • 有料アプリであれば、どのような方法で売り上げるか決める必要があります。もともと有料アプリとするか、アプリ内課金にするかなどです。アプリ内課金にも種類がありますので、最適は方法を選択します。

  • 多言語化
  • 海外での提供も検討しましょう。日本人にしか通じないアプリでも、海外でユーザがつくかもしれません。ただし、海外版を作成するには、アプリの海外対応だけでなく、広告、規約、サポート等にコストがかかります。

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    モバイルバックエンドサービスの活用の検討

    モバイルバックエンドサービスは、mBaaSと言います。どのようなアプリでも必要となるバックエンドサービスを、クラウドで提供するサービスです。例えば、プッシュ通知はアプリの必須機能になってきました。プッシュ通知に必要な配信管理をmBaaSが提供してくれます。プッシュ通知以外にも多くのサービスが用意されています。mBaaSを使用せずともAppleやGoogleが提供している機能と独自のサーバアプリケーションで実現することもできますが、利用することで開発コストを抑えられます。
    mBaaSでは、「NIFTY Cloud」や「Firebase」が有名です。

    解像度

    実機の解像度、縦横比に注意が必要です。iOSの場合、iPhone 3GS以前を見捨てると少し楽になります。Androidの場合は、iOSより画面密度という値の種類が多いので、評価漏れの無いように気をつけましょう。

    セキュリティ

    アプリとバックエンドサーバの通信は暗号化するようにしましょう。iOSの場合、2017年1月には、httpsを使用しなければアプリからWebサービスにつながらなくなります。まだバックエンドサーバがSSLやTLSを導入していないであれば、バックエンドサーバの担当者に対応を依頼しましょう。

    チュートリアル

    チュートリアルは、ユーザのアプリへの入り口ですので注力するべきです。何ページにも渡って、長い文章で、画面例に矢印を入れて説明を加えてあるようなものはユーザにとって不快です。できる限りシンプルに、すぐにユーザがアプリを使用できるようにしましょう。Tipは、効果的です。最初に一回、あとは求められれば表示するTipのダイアログを用意しても良いでしょう。
    しかし、最も良いアプリはチュートリアルやTipがありません。画面を見ただけでその意味を想起できるアプリが理想です。

    今後求められるエンジニア将来像とは

    プロトタイプ

    受注なら特に、社内プロジェクトでもできるだけ、早い段階でプロトタイプを作成しましょう。最近は、実アプリではなく、アプリもどきで使い勝手やUIを確認できるツールが提供されていますので、必要に応じて利用しましょう。
    動作するアプリができたら、クライアントはもとより、社内メンバー、できれば外部のアプリサイトを運営している人たちに使って見てもらいましょう。

    まとめ

    アプリ開発をする際に、事前に注意すべきポイントを8つご紹介いたしました。
    開発にかかわるガイドラインや開発環境、セキュリティはもちろんのこと、早い段階でマーケティング戦略にも耳を傾けるべきです。また、アプリならではの機能をクラウドサービスを利用しコストを抑えることが可能か、チュートリアルやプロトタイプは関係者はもちろん外部の経験者などに確認するなど、きめ細かい対応をすることで、追加開発が必要となった場合の対応も楽になります。

    アプリ開発案件を受注するべきかどうかの案件のチェックポイントについては、10のチェックポイントを以前にもご紹介していますので、合わせてご参照ください。

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