ERPプロジェクトでは、プロジェクト全体が独特の緊張感で満たされることがあります。
中でもデータ移行フェーズは、プロジェクトの山場とも言える重要なポイント。そこで今回はERPシステム導入時のデータ移行フェーズでの注意点をまとめました。
データ移行ではあらかじめ工数の確保を
ERPプロジェクトでは、レガシーシステム(アップデート前の古い環境)から、新システムへの切り替えの際、それまで蓄積されたデータを移し替える作業が発生します。
ERPは企業の基幹業務システムとして利用されるため、扱うデータの量は膨大で、数年単位で蓄積されたデータを移し替えるためには専門のチームや環境が用意されることがよくあります。
この新しい本番環境へのデータ移行がスムーズにいくか否かによって、プロジェクト全体の評価が左右されることもあるほどで、プロジェクト終盤の大きな山場といえます。
移行作業の方法はプロジェクトによってさまざまですが、専用のツールやプログラムを開発してデータ移行を進めるため、あらかじめ人員と工期を確保しておかなければなりません。データ移行前の開発だけでなく、テストも踏まえ移行の工数をきちんと確保するようにしましょう。
ほんの小さな不整合がデータ移行の大障害を招く
データ移行では、ほんの小さなデータの不整合が原因となって、新システムが正常に稼働しないというケースが発生します。
ERPシステムでは、さまざま領域間でデータのインターフェースや参照、登録、更新を相互に行っています。そのため移行先システムのマスタに、レガシーシステムから不正なデータが紛れ込んでしまうと、新システムでデータの不整合を起こして業務処理全てに影響を及ぼしてしまうことになりかねません。
しかし膨大な量の顧客データを全て精査するのは事実上不可能に近く、「人事を尽くして天命を待つ」といった状態になることもしばしば。
ダイナミックかつ緻密なデータ移行フェーズの醍醐味とも言えますが、スムーズにデータ移行が完了させるのはリスクも伴うものです。
事前にデータを最低限チェックし、不整合を起こす要因がないかの確認怠らないことも重要となります。
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データ移行の不整合を修正するのは地道な作業
不運なことにデータの不整合が見つかってしまった場合は、不正なデータを洗い出す作業が待っています。
前述したように移行作業は専用のツールを開発して行うことが多いのですが、このツールのチェックをかいくぐって混入したデータを見つけることは非常に困難となります。
時には仕入れ先や顧客属性に関するデータを全てローカルPCにダウンロードし、表計算ソフトに取り込んだ上でフィルターをかけながら不正データを潰していく、という泥臭い作業が発生することもあります。
さらにこのような作業の途中で、あまりに大きなデータに表計算ソフトやローカルPCが耐え切れず、頻繁にフリーズを繰り返して作業が進まないという場合も。
そのためデータ自体を小分けにした上で精査しつつ、精査が完了したものから部分的に再投入していくといった修正作業が必要となります。
データ移行終了後の流れ
全てのデータ投入が完了し、マスタデータやトランザクションデータに不整合が見つからない、もしくはERPシステムの動作に影響がないところまで確認することができれば、プロジェクトのゴールは目の前です。
データ移行作業が終了したあとには、不要なデータのクレンジング(削除)作業や、顧客を交えての動作確認・テストなどを行い、大きな問題がなければ保守・運用フェーズへと移り変わります。
保守・運用フェーズに切り替わった後もしばらくは瑕疵対応として開発チームの人員が残留することもあり、移行後も不具合が発生しないか確認する姿勢が必要となります。
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