開発現場はリーダーの人柄や行動によってガラリと雰囲気が変わるものですよね。チーム全体の士気が保たれ、統制が取れている開発現場は仕事そのものの難易度に関わらず成果を上げやすい傾向にあります。
そこで今回は、チーム全体の雰囲気や方向性に大きな影響を与えるリーダーに必要な資質について考えていくことにしましょう。
コミュニケーションコストを意識する
コミュニケーションはただ密にすれば良いというものではなく、それ相応のコストがかかります。ミーティング、打ち合わせ、レビューなどはチーム内のコミュニケーションとしてなくてはならないものですが、だからといってむやみに時間と労力を投入していては、メンバーの貴重な時間を奪ってしまうことになりかねません。
また、新規でメンバーが参画した場合に、そのメンバーがうまくチームに合流できるよう調整することもリーダーとしての役割です。新規メンバーがなるべく早くチームの流れに乗れるよう努めることで、その後のコミュニケーションコストを減らすことができるでしょう。
「コミュニケーションが重要!」というお題目のもと、意外と忘れられがちなコミュニケーションコストですが、そのコストをしっかりと見積もりつつチームを運営していきたいものですね。
「外部」「内部」という意識を捨てる
プロジェクトの規模が大きくなればなるほど、チームにアサインされる人員の「出自」はバラバラになる傾向があります。リーダーとサブリーダーは元請け社員、その他メンバーはさまざまな協力会社の社員やフリーエンジニア、というメンバー構成は珍しくありません。もちろんこの逆もあり得ます。所属する企業や立場が異なれば、それぞれの思惑が交錯することもあり、なかなかチーム一丸という具合にはいかないこともあるでしょう。
さらに昨今は情報セキュリティ上の問題もあり、ともすれば「内部の人間」「外部の人間」という区分けが生まれがちです。しかし全員の出自がバラバラだからこそ、時にはその差異をあえて無視して接することで、チームへの帰属意識を高めることが大切。情報セキュリティや社外秘の情報に対する意識と、チームの帰属意識は全く別のものです。
開発現場ではメンバー間の意識の「壁」がなくなるような、フランクで気兼ねなく意見が言える雰囲気を作り上げるチーム作りができるリーダーは重宝されるでしょう。
自分自身を「切り札」にできる技術力
開発現場に柔軟性と納期の短縮が求められるようになり、アジャイル開発のような新しい手法が注目されていますね。
昨今のタイトな開発スケジュールでは、いくら無駄なくメンバーにタスクを振り分けていても、高確率で修羅場や正念場を迎えてしまうものです。
そんな時、自分自身も開発作業に従事できるリーダーが強みを発揮します。
普段はメンバーに任せている仕事も、いざとなればしっかりと分担して引き継ぎ、現役のプログラマやSE同様の技術力で対応できるリーダー、即ち「プレイングマネージャー」となれる人材が求められています。
開発の一線を退き、普段は管理側の仕事がメインになっていたとしても、身に着けた技術力を錆び付かせないよう心掛けることが大切です。
年齢は関係ない!だけでは通じない
人間は年を重ねるごとにプライドや自信を積み上げていく傾向があります。職人気質のエンジニアであれば、なおさら自分の経歴に対して誇りを持っているタイプがいるものです。
しかしIT業界は「実力主義」の側面があり、年齢よりもプロジェクト滞在期間の長さでポジションが決まってしまうことが多いですよね。ただ、あまりにも年齢を無視した「上下関係」を組み上げてしまうと、チームの運営に支障をきたすこともまた事実。
年長者やベテランのプライドを傷つけてしまうと、チーム内部の調整に無駄なコストが発生しがちです。
若手に経験を積ませる意味であえて年長者を下につける、という方法も考えられますが、年齢差も十分に考慮しましょう。
チームを円滑に運営していくためには、自分よりも年上のエンジニアからの支持を集められるかという点も重要になってくるのです。
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