ITエンジニアの中には、顧客である企業に常駐して仕事をするパターンも多いですよね。客先常駐というのは何かと気を遣うものです。
そこで今回は、ITエンジニアが客先に常駐する際に気を付けるべきポイントについて、まとめてみたいと思います。
ポイント1:気心が知れても「顧客」という意識を忘れない
エンジニアとして客先に常駐してから早数年、もはや客先の偉い人とも十分に気心が知れ、信頼も得ているというケースは結構あるものです。それはエンジニアとして、そして社会人として認められている証拠でもあり、非常に喜ばしいことですよね。そもそも自社で作業するのは週1回の帰社日くらいのもので、あとは常に客先に常駐しているとなれば、エンジニア側も顧客側も「仲間」という意識が強くなります。ただし、慣れや気の緩みから、顧客に損害を与える可能性があることもまた事実です。
長い常駐期間がエンジニアとしての緊張感や注意力を奪ってしまい、契約が終了となってしまうケースもあるのです。顧客と良い関係を作り上げることは決して悪いことではありません。しかし常日頃から「サービスを提供している側」であるという意識を忘れないようにしましょう。
「仲間意識」は大切ですが、実際の「仲間」である前に顧客なのです。抽象的なお話しになってしまいますが、やはり気構えは全ての行動に影響しますので、今一度気を引き締めて仕事に臨みましょう。
ポイント2:ライセンスやセキュリティに関する意識は常に高く保つ
ITエンジニアであれば、「客先のネットワークにウィルスを感染させてしまった」「使用許可を得ずに記憶メディアを接続してしまった」という話を聞くことがあるかもしれません。
初めのうちは緊張感に溢れていた客先での常駐勤務も、日を追うごとに慣れが生じてきます。しかしその慣れが、セキュリティやライセンスに関する違反を犯してしまう原因になれば、個人としても企業としても責任を取らざるを得ません。
例えば、常駐先で顧客と打ち合わせのあと、そのまま飲み会に誘われて盛大に酔っ払い、帰りに顧客データの入った記憶メディアを無くしてしまったというケースがあります。さらには、休憩中に客先の端末でネットサーフィンをしていた結果、スパイウェアやウィルスが混入したフリーソフトをダウンロードしてしまったという話もあります。酔った上で社外秘のデータを紛失することは論外です。また業務上必要となるフリーソフトやアプリであっても、それが客先で許可されているか確認する必要があります。フリーソフトやシェアウェアといったネット上で公開されているものの中には、商用利用や法人利用を禁止しているものもありますので、その点も十分に注意しましょう。「使い慣れたソフトの廉価版だし、インストールしても問題ない」と勝手に判断するのは非常に危険です。
顧客の中にはITに疎い人間がいる可能性もあり、エンジニアが想定した通りの使い方をするとは限りません。セキュリティやライセンスに関する意識は常に高く持ち、顧客に損害を与えて重大な責任問題に発生することのないようにしましょう。
ポイント3:接客であることを忘れずに「身なり」と「あいさつ」に注意を
客先常駐ということは、顧客と接する機会が常にあるということになりますよね。エンジニアは接客業ではないという方も多いでしょうが、クライアントと直接接する以上、それは接客になります。ご機嫌をとったり、媚びを売ったりするということではなく、相手に不快な思いをさせることのないような言動を心掛けましょう。
特に気を付けるべきことは、「身なり」と「あいさつ」です。接客意識があるか無いかで、この二つはかなり違ってくるもの。いくら仕事が忙しく、夜を徹しての作業が続いたとしても、身なりとあいさつを徹底するようにしてみてください。この二つはITに詳しくない顧客にも、「仕事ができそう」と思わせる非常にお手軽な方法なのです。