大規模プロジェクトをマネジメントするときの注意点

大規模プロジェクト

プロジェクトマネジメントとひとことで言っても、大規模と小規模なプロジェクトでは進め方や注意すべき点が異なります。今回は、大規模プロジェクトにフォーカスし、その注意点や考え方についてまとめました。長期間に渡り、膨大な費用を使うことになる大規模なプロジェクトのマネジメントに初めて携わる方は、ぜひ参考にしてみて下さい。

大規模プロジェクトとは

プロジェクトの大きさについて考えてみます。一般的にプロジェクトの大きさを表現する際に、大規模とか小規模といわれることがあります。この「規模」は何を言うのでしょうか。期間や金額(予算)などが容易に考えられます。ただ、この大小の区別や境界は決められたものはありません。プロジェクトを実施する側で、その境界を決めることになります。
 またプロジェクトという概念自体は決して新しいものではありません。古くは、ピラミッドや万里の長城、東大寺の五重の塔といったものもありますし、近年では人工衛星の打ち上げや都市開発、マイナンバー・システム開発といったものも全て大規模プロジェクトと言えるでしょう。一方で、業務の改善プロジェクト、要員採用やイベント開催といったものもプロジェクトですが、これらは比較的短期的で予算規模も余り大きくないことから、小規模(または中規模)プロジェクトと言って良いでしょう。

エンジニアが大規模プロジェクトで心掛けたいことについても、以前ご紹介していますので、合わせてご覧ください。

大規模プロジェクト

大規模プロジェクトの特徴とマネジメントの考え方

 大規模プロジェクトの特徴としては、まず期間が長いこと(3年~5年程度)、費用が大きいこと(期間に比例します)、さらに多くのステークホルダーが関与すること、プロジェクトが複雑なことなどがあげられます。
とくにプロジェクトの複雑性などは、プロジェクトの期間が長くなれば先のことは何が起こるか不透明なことが多いこともあり、さらに他とのシステムや関連する箇所とのインターフェースも増えますから必然的にリスクを伴うことになります。
 こうした特徴をもつプロジェクトが次第に増えてくると、プロジェクトの成功・失敗がプロジェクトの実行する企業や国・自治体といった行政に大きな影響を与えます。したがって、実行する側は何とか大規模プロジェクトを成功させようということになります。
「どうすれば大規模プロジェクトを成功させることができますか」と良く聞かれるのですが、いつも「先の見えないプロジェクトを成功裡に終わらせる方法、魔法の杖というものは正直言って無いのです。ただ失敗をしない(少なくする)ための施策はいくつか考えらます。」と答えています。
 
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大規模プロジェクトを失敗しないためのマネジメント方法

プロジェクトマネージャー

 まず大規模プロジェクトを仕切ることのできる優れたプロジェクト・マネージャが存在は必要です。
大規模プロジェクトでは先にも書いたように期間が長く、費用も膨大で、要員も多く、複雑な要素が多いのが特徴ですから、こうしたことを全て理解した上で進めて行くためにも、プロジェクト・マネージャ個人の高い能力やスキル求められます。いくら高い能力があっても1人ですべてを管理することはできませんから、そのプロジェクト・マネージャーをサポートする要員や体制(PMO-Project Management Office、プロジェクトクト・マネジメント・オフィス)が必要となります。
このPMOではプロジェクトを管理するためのツールとデータを駆使して進捗を監視します。ここではプロジェクトマネジメント・ソフトウエアなどのITツールが重要な役割を果たします。最近ではクラウド上で管理することも可能です。また、データも精度高く収集・分析されなければなりません。PMOのスタッフは、分析結果からプロジェクト・マネージャに対し必要に応じて(例えばスケジュールの遅れや品質データのチェック、要員のパフォーマンスなど)進言をする権限が与えられていなければなりません。

 次に、プロジェクトのスコープ(範囲)を明確にすることです。プロジェクトの最終成果物は何かを見定め、その成果物(結果)が組織の戦略に沿った目標を達成できるかという点から決められるべきです。大規模プロジェクトでは期間中に環境や戦略が変わることもありますが、スコープが常に組織の戦略に合致している(外れていない)ことが大事です。

PMOの人材構成や役割については、以前こちらで説明いたしましたので、合わせてご覧ください。

必要とされる高度なプロジェクトマネジメント

プロジェクトのスケジューリング

 プロジェクトを成功させるためには、さらに詳細なスケジューリングを行う必要があります。
多くの場合、プロジェクト全体を通した大日程と各サブプロジェクト単位での小日程は必ず作成しています。大日程はほとんど変わることが無く、ほぼ全員が共有していますが、小日程は現場の日々の活動に合わせて煩雑に変更されます。大規模プロジェクトでは、この大日程と小日程の中間の中日程を活用することです。中日程はプロジェクトの立ち上げ時に作成されても、その後改訂されることもなく場合によっては殆ど誰も注視しなくなることが多いのです。
この中日程は、ISO®(国際標準機構)で決められたSLCP(Software Life Cycle Process)におけるアクティビティ(複数の詳細タスクをグルーピングした作業)にあたります。この中工程に各サブプロジェクト間の関係を調整する計画を明確にしておきます。例えば、インターフェースの確立や基本設計のレビューとリリースといった作業を加え、進捗時の作業漏れを防ぎます。

 最後に、大規模プロジェクトでは関係者が多く参画するので標準化が重要です。ただ、この標準化も異なる組織の人たちが参画する場合には、各々の様式が存在しますから最低限の標準化にとどめる必要があります。大規模プロジェクトでは、初めて一緒に働く人も多く、性格や能力、人間性などに不安を抱え、コミュニケーションや意識合わせが難しい部分があります。とくに標準的な開発方法で作業をしてもらうためにも、関係調整のマネジメントが重要になります。

 なんと言っても、プロジェクト・マネージャであれリーダー、メンバーであれ、PMBOK®の知識や技法は勿論のこと経験に即した高度なプロジェクトマネジメントを身につけなければ大規模プロジェクトを成功裡に終わらせることは難しいのです。その意味で真の人材の育成が求められます。

PMBOKについてはこちらで概要を説明しています。

まとめ

今回は、大規模なプロジェクトのマネジメントをしなければならなくなった際に、どう考えればよいのか、何が必要とされるのかなどを簡単にまとめました。
大規模プロジェクトは、期間も長くステークホルダーも多いため複雑になりがちです。
そこで、プロジェクトをマネジメントするPMOの存在や、ツールが必要不可欠。スケジューリングや標準化といったポイントを押さえ、プロジェクトの目標を達成できるマネジメントが必要とされています。

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