部下を指導する立場になったら身に着けたい2つのスキル

プロジェクトを推進する上で、チームのメンバーの能力はそのままチームの能力となります。個人の能力を引き出して、プロジェクトを成功させるのがチームを預かる者の役割です。効率的で効果的な仕事をするためには、自分の部下と向き合い、指導する必要があります。今回は、そんな部下を指導する立場になった場合の考え方をご紹介します。

PMO/コンサルタントの案件/人材をお探しですか?

IT・コンサル案件/人材を多数掲載!
マッチングプラットフォーム「アサインナビ」をご活用ください。

詳しく見る

部下を指導する際に重要なのはコミュニケーションスキル

部下の指導ということについて皆さんはどのようなお考えをお持ちでしょうか。
ひとたびチームでの仕事を推進する役割を持たされたなら、「指導」という言葉を聞いて自分にはそのような能力はないなどとしり込みをすることはできません。

指導を辞書で引くと「ある目的や方向に向かって教え導くこと」とあります。
もちろん、マニュアルや簡単な説明で「目的や方向」を伝えることはできるでしょうが、それはただの伝達であって、仕事を完成させるための指導ということにはなりません。
また、部下を「指導」するためには、自分の考えややり方を押し付けるといったやり方ではうまくいかないケースが多く見られます。

では、そういった「指導」を的確に行い成果につなげていくためには何が必要でどのように進めていけばよいのでしょうか。

指導に必要な力として必要とされるのはコミュニケーション能力であるといえます。
それはコミュニケーションのための「技術」ではなく「能力」なのです。
その本質は部下の話をしっかりと聴くことと、目的を達成するために自分の意図や考えを共有できるように相手に伝わる説明をすることなのです。

経験の浅い部下を指導する場合は、「言葉」に注意

通常は業務上のコミュニケーションがスムーズにいけば自分の意図はスムーズに伝わるはずです。
しかし、経験の浅い部下に持った時には話がうまく伝わらないことがあります。
これは、業務に対しての理解が十分でなかったり、知識が足りないために会話の「言葉」が共有できないことが原因で起こることが多くあります。

経験が浅い部下に対しては、お互いの会話の中で出てくる「言葉」が適切に共有されるように、相手がしっかりと話を理解できていることを確認しながら仕事を進めていくことが大切です。このくらいのことは知っているだろうとか、こういったことは常識だといったような考え方をする人はよく見受けられますが、そういった考え方をする人は部下を持つための資質に欠けると言われても仕方のないことかもしれません。

良いチームを率いている管理者を見ていると、そういったチームのコントロールやコミュニケーションがうまくいっていることの事例が多くあります。コミュニケーションが取れているというのは、単に一緒にお酒を飲みに行ったりするといったことではなく、お互いの信頼関係を創り上げていくということに他ならないのです。

特にエンジニアの部下を持つ事になった場合は、自分自身が率先して新しい技術や知識に敏感であることも求められます。
正しい知識と多くの情報、そして今までの経験によって組織を動かしていくことが望まれます。

とはいえ、大切なのはすべてから学ぶという姿勢なのであって、決して知識が多かったり経験が多いことだけがすべてではありません。

部下の指導には、相手を尊重し意見を聞く姿勢が重要

部下を指導する際、自分自身が指導に必要な技術的スキルを持っているかどうかは、相手が素直に話を聴いてくれるかどうかの圧倒的な力量さとなってきます。
しかし、新しくチームに加わった人がたとえ新人であったとしても、自分が知らない知識や情報を持っていることもあります。
そのため、上手な指導方法として指導の時点においても相手を尊重して意見を聴き、相手を尊重した姿勢を持つことが重要です。

まず、意見を聞いてくれるということで、「自分をしっかりと見てくれているんだ」という意識をコミュニケーションの環境として創ることにもなります。
人心を掌握するという観点で、必ず出された意見を評価しておく責任が管理者にはあります。

そして、今はどのように考えて、どのように行動し、何を結果として創り上げるのかを明確に伝えて、行動させるようにすることが大事だといえます。
最も気を付けなければいけないのは、管理者の意見を押しつけることや、命令口調で高圧的な態度を見せることはしてはいけないということです。

そのうえで、コミュニケーション能力やファシリテーション能力が生かされる現場を作り上げていくことが求められます。
コミュニケーション能力の基本は話を聴き、そこから発信される情報や状況を理解する力と自分の話を相手に理解してもらい、その意図や状況を受け取って意識を変革し、行動してもらうことです。そのために「よく聴き」、「正しく理解」し「正しく判断」して、「正しく」、「確実」、「丁寧」に相手に情報を返すということを繰り返しです。

部下の指導に必要なコミュニケーション力の鍛え方

コミュニケーション力と言っても様々な分野での様々な能力を意味することが多くあります。
ここでは、部下との間のコミュニケーション力で必要とされるものを考えてみることにしましょう。

ます必要なのは、部下との言語による意志疎通能力です。そして、現場での様々なシーンに対する部下の感情を理解する能力です。
感情面に気を配って、お互いの気持ちを分かち合い、信頼関係を築いてゆく力が必要です。
また、相手の表情や眼の動き、沈黙や場の空気などの非言語的な要素に十分に注意を払うことで、相手の気持ちを推察する力を身に付けておかなければなりません。

コミュニケーション力をつけるには、自分の感情の動きを常に感じ取り、客観的に判断できるよう、日ごろから意識を向けることです。
同時に部下を指導する際には自己中心的な考え方や感情に訴えた表現は禁物です。

部下の指導に必要なファシリテーション力のポイント

ファシリテーション力は、仕事上での部下との「合意形成」や「相互理解」をサポートすることによって、部下や組織を活性化し、組織力の強化を促進させるリーダーの持つ能力です。場の流れや環境を産み出し、場の中に完全に取り込まれてしまうことなく、全員に配慮しつつも遠慮をしない環境づくりをしなければなりません。

時には、ネガティブな感情や意見を持ち、マイナス意見をいう部下もいるでしょう。
マイナスな感情やマイナスな意見に出会った場合は、ネガティブな意見の原因や興味が持てない原因を見つけ出し、その問題を解決する形で話をすることも大切です。
ポイントを押さえた議論に部下を導くことで、前向きな結論に向かって動かすことができるようになります。

部下を指導するリーダーシップとは?

人が二人以上集まって活動する時は組織としてのリーダーシップについて理解しておく必要があります。
よくある説明で見られるのは、石を運ぶときにその意思を動かす人に対し、どのように仕事をするべきかの指示を出しているといった図を見かけることがあります。その現場で指示をしている「リーダー」はリーダーシップが欠如しているという説明がされています。「リーダー」は、同じ現場で一緒に石を運ばなければリーダーシップを発揮できないのかということになりますが、このような図式の中にはリーダーシップは存在しません。むしろリーダーシップに対する誤解を与えることになります。

仕事の中でのリーダーシップは、各個人がお互いの共有する目的や目標に対して意識を同じ方向に向けていく力そのものです。
そして、そのリーダーシップを引き出し、まとめて目標を達成できるようにかじ取りをすることがリーダーの役割です。

リーダーの持つべきリーダーシップは、個人のリーダーシップを引き出し、同じ方向に向かう力として束ねてゆくことなのです。

部下を指導する際に必要となるリーダーシップは、部下を元気にさせ、やる気を引き出すものである必要があります。
また、トラブルや問題が発生した時に、共に問題を解決し目標を達成できることを目指し、目標が達成された時や問題を乗り越えた時に共に喜びを分かち合えるものであるべきです。

そのためには、成果を正しく認識する力と、「褒め上手」「叱り上手」であることが要求されます。
また、様々な場面での伝え方も、相手のことを考えながら、同時に相手に的確に内容が伝える必要があり、コミュニケーション力とファシリテーション力が重要となるのです。

部下を指導する際のポイント まとめ

部下を指導するためにはどのようなスキルが必要となるのかについて、ここでは部下が「なるほど」と納得するような経験や技術力、あるいは自分がレベルアップしようとするための姿勢など、この人に付いていきたい、この人のようになりたいと思ってもらえるような姿勢が必要です。

そのためには、技術力や知識だけでなく、コミュニケーション力とファシリテーション力が重要なポイントとなります。
これらの力をつけるためには、日ごろからその意識を持ち、客観的に物事を考えられることが求められます。

部下を指導する時には、無理やり何かを押し付けるのではなく、共に働く仲間との成長を意識しながら指導のためのスキルを身に付けていきましょう。


日本最大級のITビジネスコミュニティ アサインナビ