プロジェクト成功の鍵「ビジネスアナリスト」の存在意義と育成方法

いま注目を浴びている「ビジネスアナリスト」という職種をご存知でしょうか。プロジェクトを成功に導くために必要とされる「ビジネスアナリスト」について、その存在意義や育成方法についてご紹介いたします。

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「ビジネスアナリスト」とは?

ビジネスアナリストとは、ビジネスアナリシスを実行する担当者のことを指します。ではビジネスアナリシスの役割とはどのようなものなのでしょうか。

ビジネスアナリシスの最大の役割は、現状の業務を理解した上で、経営層等の意向を盛り込んだ内容を、開発部隊に伝える(システム開発の場合)役割です。つまり、「プロジェクトに関係する各部署とのコミュニケーションを仲介する」ということです。日本企業では、多くの場合、社内はじめ関係各社との調整し、要件定義を取りまとめる人が、ビジネスアナリストにあたります。つまり、ビジネスアナリストは、職種として今まで認知されておらず、新しい職種のようにとらえられがちですが、実は昔からプロジェクト内ないし社内の誰かが担当している役割と言えるのです。
しかし、プロジェクト内の誰かが担当する必要がある役割にもかかわらず、それを職種としてポジションを明確にしている企業はまだまだ少数です。

ビジネスアナリストの存在意義

ITプロジェクトの7割が失敗すると言われており、その原因は要件定義にあると言います。その要件定義を取りまとめる役割を担うビジネスアナリストの存在が認知され、専門家として育成されるようになればITプロジェクトの成功率も改善すると言えるのです。

ビジネスアナリストというプロフェッショナルに関係各署の調整を任せることで、中立的な立場で要件定義の取りまとめができる上、旧来の副次的に担当する人材は本来のプロジェクト内での役割に専念することが可能となり、プロジェクトの成功へとつながる可能性が高まるのです。

ビジネスアナリストを育成するには

ビジネスアナリストの必要性はわかっても、実際に自分の組織でどう進めていけばよいかわからない方も多いのではないでしょうか。

ビジネスアナリストの登用には、2つのパターンがあります。
1つ目は、社外の専門家としてコンサルタント等に依頼をするパターンです。この場合は、既にビジネスアナリシスを経験し、体系だった知識の習得をしているプロフェッショナルに任せられるため、社内で専門家がいない、今後育てたいという場合の参考になるといえます。
2つ目は、現プロジェクト内でビジネスアナリストの役割を担っている人材を、ビジネスアナリストの専門家として職種を与えるというパターンです。この場合、その人材が向いているかどうかや本人の意向を踏まえたうえで、専門家として体系だった知識の習得が必要となります。ここで重要となるのが、企業側のビジネスアナリスト育成のための環境づくりです。

ビジネスアナリスト育成のための環境づくり

ビジネスアナリストを育成するためには、企業側で環境を整える必要があります。
知識の学習機会という人材の育成だけでなく、プロジェクト内での体制ないし組織の見直しが必要な場合もあります。ビジネスアナリストとして機能するよう変更する必要があるのです。

また、ビジネスアナリストが社内の今までのビジネスアナリシスや開発のナレッジを確認できるような環境を整備することも大切です。各部署ごとや担当者個人が持っている場合も多いナレッジを共有し、すぐに確認できる環境にする必要があるのです。

ビジネスアナリストとして成長していくことを考えると、継続的に参画できるプロジェクトがあるということも重要です。旧来の考え方では、プロジェクトの期間限定で、誰かがその役割を担っているため、プロフェッショナルとしての長期的なキャリア形成が難しいのです。

環境を整備し、社内でビジネスアナリストを育成する場合、その人材の評価など人事モデルも必要になります。

これらの環境を準備するためには、まずはプロフェッショナルとして外部のコンサルティング会社などに依頼をし、並行して社内人材育成を進める方法がおすすめです。

ビジネスアナリスト育成のための研修

ビジネスアナリスト育成のための研修は、様々な企業が開催しています。BABOK(R)に基づくものが多く、1日講座から1ヶ月のものまで様々です。プロジェクトマネージャーや経営企画など戦略に関わる立場の方にも必要とされる知識が含まれるため、これらの職種の方々の参加が多いようです。

業界団体として、IIBAという非営利団体があり、CBAP(R)というビジネスアナリストの資格を提供しています。
研修も、このIIBA公認のものもあり、選択の際の参考になります。

ビジネスアナリストに向いている人材

BABOKによると、ビジネスアナリストには6つのコンピテンシが必要とされます。
「分析思考と問題解決」・「行動特性」・「コミュニケーションスキル」・「人間関係のスキル」・「ビジネス知識」・「テクニカルスキル」に分けられています。
前半4つはソフトスキル、後半2つがテクニカルスキルとなっています。
つまり、ビジネスアナリストには、これらのソフトスキルが高い人材が向いていると言えるのです。テクニカルスキルは、知識を意識的に吸収することで高められるものです。
ソフトスキルは、経験を積んでこそ高められるもの。企業側としては、ビジネスアナリストとして、それだけの実務経験を積ませることが重要となります。

ビジネスアナリストまとめ

ビジネスアナリストについてまとめました。
ビジネスアナリストとは、関係各部署とコミュニケーションをとり、要件定義を取りまとめる役割を担う人材です。このビジネスアナリストがいることで、プロジェクトの成功率が高まるのです。ビジネスアナリストを育成するのは難しいことではありません。育成のための環境を整備し、機会を与えることが重要となるのです。


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