システム運用管理する人材に求められるもの

現代では、世間に存在するサービスの多くがITによって支えられているといっても過言ではありません。増え続けるITを使ったサービスの影響を受け、IT業界ではシステム開発を担う人材と同様に、ITを適切に使用して顧客のサービスをサポートできる人材も求められています。そこで今回は、近年ニーズが高まっているITサービスを運用管理する人材に求められるものを考えていきましょう。

システム運用の基本的な手順を理解する

これはシステム運用に携わる人間にとっては当たり前のことに思えるかもしれませんが、担当するシステムによって運用・管理の手順が大きく異なるという現実があります。

手順書を整備して、誰がどのような時にも適切に対応できる現場ばかりであれば良いのですが、残念ながら手順書が完璧に揃っているケースは少ないのです。
そこで、現場で公式にリリースされている手順書以外にも、イレギュラーな部分や自分なりの見解を盛り込んだ手順書を作成しておき、担当するシステムの基本的な運用方法を頭に叩き込んでおきましょう。

さらに、顧客の業務に対する理解を深めることで、タスクの優先度や緊急度も自ずと判別がつくようになります。

システム運用管理のための技術的バックボーン

システム管理を適切に行うためには、技術的なバックボーンが必要になります。
Linux系OSを使用しているシステムであれば、Linux系のディストリビューションに関する知識やLPICなどの資格、サーバ構築の経験などが役立つことは間違いありません。
さらにシェルプログラミングや軽量言語(スクリプト系言語)を使ったプログラミングができれば、運用・管理の効率化も可能です。
また、ネットワーク系の知識も必須となるケースがあります。

特に有名なのはcisco社の製品ですが、ネットワークやルーティングの基礎知識もカバーしておきたいところ。
技術的なバックボーンなしに現場の情報だけで仕事をしてしまうと、手順書やマニュアルに記載がないようなイレギュラーな事態に対応しきれません。
一度に全ての技術を習得することは難しいので、最初は基礎的なコマンドラインの知識を増やしていき、そこからシェルの使い方、簡易的なサーバ構築と設定ファイルの記述、ネットワークの知識などへ知識の幅を広げていくことをおすすめします。
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ITサービスマネジメントを体系的に学べる「ITIL」のススメ

2000年代中盤から、日本国内でもシステム運用・管理に携わる人材のスキル標準として認知されるようになったITIL。

ITILとは企業がITを使って実現しているサービスを、適切に運用・管理していくための方法論をとりまとめた「虎の巻」とも言えるものです。
ITILは英国政府が主導となってITサービス運用のノウハウやスキルを取りまとめて整理し、体系化したことが始まりで、現在では以下の5つのカテゴリから構成されています。

・サービスストラテジ
・サービスデザイン
・サービストランジション
・サービスオペレーション
・継続的サービス改善

この5つはITサービスの立ち上げから実際のオペレーションに至るまで、あらゆるステージで運用手法やガイドラインを定めているため、システム運用の基礎として一度は目を通しておくとよいでしょう。
ITILには資格も存在しており、基礎レベルのファウンデーション、中堅レベルのインターメディエント、上級レベルのエキスパート、運用チームのリーダーや上級管理者のためのマスターといった4段階に分かれています。
なお、ITILは現在バージョン3が最新であり、以前のバージョン2とは若干内容が異なることに注意してください。

顧客がITを通して実現したいことを把握する

システムの運用管理者は、システム自体を注視していれば良いわけではありません。

顧客がITを通して何を実現し、どのような結果を期待しているのかをしっかりと把握しておく必要があります。
顧客とビジョンの共有が必要になると言っても良いでしょう。完全に一致していなくとも、この点が大きくズレていると、顧客からの評価を得ることは難しいかもしれません。
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システム障害時に真価を発揮する問題解決力

システム管理者に必要とされる障害発生時の問題解決力とは何かと問われれば、それは「切り分けのスピード」と「適切なエスカレーション」、「暫定対応のスピード」といったスキルです。
システムに発生した障害は、短時間で解決できるものばかりとは限りません。時には根本から構成を見直す必要がでるケースもあるのです。
そのような重大な障害が発生した場合にシステム管理者は、素早く原因を特定し、調査分析が可能な人材に依頼を投げ、さらに暫定的にシステムが稼働するよう応急処置を施すことで一旦事態を鎮静化させます。
これが素早くできるか否かで、評価は随分と変わるはずです。

まずは難しく考えず、それぞれの対応スピードを速めるための努力をしてみてはいかがでしょうか。

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