昨今では企業規模を問わずITによる問題解決が叫ばれるようになりました。その中で、ITの専門家としてフリーエンジニアやフリーコンサルタントと契約する企業も増加傾向にあります。今回は企業がフリーランスの選考から契約を結ぶまでのポイントをまとめて解説いたします。
■目次■
フリーランス選考の第1歩。スキルシートのチェックポイント
IT人材を選考する際、まず確認することとなるのがスキルシートです。
多くの企業では、人事の採用担当者と現場の責任者との相談の上、選考を進めるか判断しています。
これがスキルシートをチェックする際の1つのポイント。
フリーランスとの契約においては2つ以上の目線でスキルシートのチェックを行うべきです。
人事担当者は人事において採用と労務管理のプロフェッショナルではありますが、技術に関しては現場の社員にはかないません。
人事担当者自身は人事のプロであっても技術のプロではありません。
最終的な採用決定権を保有するのは人事部ですが、必ずスキルを理解できる現場責任者と一緒にスキルシートをチェックする必要があります。
人事担当者は、法律的な面や人間性を判断する目は持っていますが、日々現場で起こっている問題点はわかりません。
当然のごとく現場において必要な知識と経験を把握しているのは現場責任者です。
この両者でスキルシートを確認することが、企業側にとっては大きなリスクヘッジとなるのです。
バランスのいいフリーランスと契約できる確率が向上するからです。
- スキル以外の役割や自己アピール、エピソード
- 年齢
- 資格
- 経験したプロジェクト
スキルシートのチェックポイント
スキルシートを見る際に、経験スキルや年数は、まず目が行くポイントですね。
しかし、それだけではプロジェクト内でうまくスキルを発揮できる人物かは判断できません。
必ず、経験のスキルの役割や、自己アピール、エピソードなどを確認するようにしましょう。
既存のプロジェクトメンバーと上手くコミュニケーションをとれるかどうかも採用のポイント。
その際に1つの目安となるのが年齢です。年齢は3つ離れるとお互いの意思疎通が難しくなるとよく言われます。
できるだけ今いる社内の人間に近い年齢の人か、年齢の離れているメンバーとの仕事経験を確認しましょう。
年配者をフリーランスとして招き入れて、現場の若手社員を疲弊させてしまうケースもあります。
若手社員が意見を言いにくい人を採用するのは避けたほうが無難です。
人事が現場から苦情を受けることが多いのがこのパターンです。
「資格なんて実力とは関係ない」というフリーランスの方もいらっしゃいますが、企業側はチェックしましょう。資格取得できる人間=自主的に業務の勉強をしている人間です。仕事の時間外に自主的に勉強をしているフリーランスは優秀な人材である確率が高いです。
次に確認したいのが経験したプロジェクトです。
中でもプロジェクト内での役割やその経験年数をチェックしましょう。
この部分が、客観的、かつ具体的な説明が見やすく記載されているスキルシートを書けるフリーランスは、業務内容を把握し仕事に対して前向きな姿勢を維持できると期待できます。
スキルシートのひな形も用意していますので、参考にしてみて下さい。
採用面談でフリーランスの性質を見抜くポイント
基本的には、人柄を把握するような質問を人事担当者、スキルを見抜くのは現場の責任者で対応するとよいです。
フリーランスの面談は30分以内に収め、短い時間に早めのテンポで質疑応答することを心がけましょう。
短時間で質問量を多くすることでフリーランスの判断力を見ることができます。
ただし、契約内容や報酬などについては、時間をかけて確認することを忘れずに。
短い面談時間の中で、質問と相互確認をきちんと行いましょう。
- スキルシートの自己PR
- 友人関係
- 仕事の不満点
- 自己評価
面談時にヒアリングしたい項目
スキルシートに書かれている自己PRやプロジェクトでのエピソードについて確認しましょう。
技術面だけでなく、人間性を確認するためには、面談時に直接聞いてみる方がよいです。
友人にどのようにみられているかを質問すると、「親友から私は、バイタリティ溢れる人間と言われています」など簡単にその人の人柄を把握できます。
プライベートな質問を通して、周囲と上手くプロジェクトを進められるかなどを判断しましょう。
また、この質問は自分を客観視できているかどうか、コミュニケーション能力や人間性に問題がないかなど、様々な要素が詰まっています。
ここでネガティブな理由をあげるかどうかは1つのチェックポイントです。
職場環境や人間関係など以外の部分(報酬アップのために契約を辞めた)をあげる方は、それだけ自信がある人物だと判断できます。
報酬アップを目的とし、お金の交渉をしてくるフリーランスは信頼できるとも判断できます。
このような少し曖昧な質問をし、フリーランスの対応能力を確認しましょう。
自分のアピールできるポイントを伝えてから、逆に意味を問い返すというのが瞬時に出来るフリーランスは反射スピードが速く、仕事でも期待できます。
特にフリーランスと契約を締結する場合、フリーランスは業務の中で自分の判断基準と権限で業務を進めていく必要があるため、曖昧な質問を曖昧なままにしておくフリーランスではないかチェックしてみて下さい。
フリーランスとの契約で気を付けたいポイント
フリーランスを選考をする際に重要となるのが契約です。
フリーランスの場合は、「雇用契約」ではなく「業務委託契約」。
ここをきちんとすり合わせておく必要があります。
フリーランスとの契約で多いトラブルは、「業務委託契約」の中における「請負契約」と「委任契約」の認識の相違です。
これらを混同して契約し、どちらの契約に当てはまるのかわからずトラブルになるケースも多いです。
フリーランスとの契約のすりあわせ
上記のようなトラブル回避のためには、「納期」と「成果物」を着任前に明確にしておきましょう。
「請負契約」は、フリーランスは成果を必ず上げる責任を負います。
仕事を確実にどんな手段を使っても完遂し、完成品を依頼主である企業に収める義務があります。
そして納品した商品に異常があれば解決する義務も発生します。
ただし、「請負契約」の場合は、指揮命令を会社がフリーランスに対しては行えませんので、確実に納期内に成果を出してくれる保証のあるフリーランスと契約することが大切です。
一方「委任契約」の場合は、特に成果を問うことはできません。
勤務時間(拘束時間)で報酬を得る契約形態で、フリーランスには善良な意識と手段で仕事を進めていくことが求められる契約です。
ここをきちんと説明せずに契約すると、フリーランスと会社の間でもめ事になります。
契約締結前に、必ず説明をし、賛同いただくフローをとりましょう。
請負契約と準委任契約の基本ポイントでも、詳しく解説していますので、参考にしてください。
契約で、もう1つ重要になるのが報酬。
報酬については、通常、フリーランスと契約する場合、配属先の自社の正社員の給与の総支給額の1.3倍以上を設定する場合が多いようです。
これは正社員が雇用の保証が60歳まであるという部分との差、そして会社が負担する社会保険料がフリーランスにはないため、その分を上乗せして支給するためです。
ここも面談時にすり合わせの上、提示するようにしましょう。
契約内容の相互確認をしっかり抜け漏れなく確認をするためには、最終面談で確認するのがおすすめです。
当社は「業務委託」で契約をしたいが「請負契約」なので、責任もって業務を完遂して欲しい、という風に具体的に面談で伝えましょう。
契約書を渡しても、フリーランスの方で契約について詳しい方ばかりではありません。
契約書の中身を読まずに、契約書に押印するフリーランスの方もいらっしゃいます。
人事には契約内容について、フリーランスに説明をする義務があります。
面談中に情報を流しておくと、仕事を引き受けるフリーランスも「この会社ではこういう内容で契約するんだな」という風に、契約後に違和感を感じることがなくなります。
フリーランスとの契約後の対応
「フリーランスでプロフェッショナルとして契約したのだから成果を出して当たり前」というように考えるのは禁物です。
フォローのためにも、必ず定期面談を社員と同様に行いましょう。
仕事などの技術面については人事ではなく現場の管理職から評価をしてもらえますが、人間関係や仕事の進め方について悩んでいないかどうかなどは、月に1度程度は個別面談を行うようにし、面談の内容についてはきちんと記録を残すようにしてみてください。
組織の改善点が見つかる場合もあります。
- 人間関係で悩みはないかどうか
- 雰囲気はどうか
- メンバーと上手くコミュニケーションをとれているかどうか
フォロー面談のヒアリング項目
簡単でも良いので必ず面談を行いましょう。
契約したフリーランスが全力で仕事ができる環境を整えるのも人事の仕事です。
フリーランス選考のチェックポイントまとめ
フリーランスの選考においては、企業側は、そのフリーランスの能力を出来るだけ推し量り、契約の可否を決めるようにしてください。
書類をチェックする姿勢や、面談における受け答えなど、細かく確認すれば確実に優秀なフリーランスを確保できます。
また、契約後の感情面のアフターケアも忘れずに。評判の良い会社は、優秀なフリーランスが集まりやすくなります。
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