システム開発を依頼しようと思った時、相手は、フリーエンジニア(個人事業主を含む)、中小企業から大企業まで様々です。システム開発の成果は、開発者に左右されることも多いものですが、実際には開発人材を選べる場合ばかりではありません。今回は、人材を選べるケースや、その場合の人材選びのポイントについて解説いたします。
■目次■
発注者側が開発人材を選べるケース
発注者側が人材(開発者)を選べるかというと、すべてのケースで可能な訳ではありません。
例えば大規模システム開発の場合、システム開発担当者は、請け負った企業が責任を持って割り当てるのが通常です。
発注者側が人材を選べるケースとしては以下が考えられます。
このようなケースの場合、どのように人材を選べばよいのでしょうか。
ケース別に解説いたします。
全てのケースに共通する人材選びのポイント
どのようなケースであれ、人材を選定する際には、まずは以下の情報を入手しましょう。
フリーランサーの場合には、その方の情報です。
企業に依頼する場合にはその企業の情報を指します。
・所在地(フリーランサーの場合は居住地)
・営業時間帯(8:30から17:30とか、休日とか)
・これまでの開発事例
(非公開の場合がほとんどですので、案件提示時に概要だけでもヒアリングしましょう)
・本案件に類するシステム開発の経験数、および開発事例
過去に同様の案件で開発を依頼し成功させた人材がいれば、候補の上位に含めるべきです。
また、同業他社に協力を得られるのであれば、案件の概要だけ伝えて、それまでに依頼して良い成果を得られた人材を紹介してもらうのも信頼性が高い方法です。
人脈があるのであれば、ぜひ活用してみてください。
フリーランサーから人材選びをする場合のチェックポイント
フリーランサーの場合には、対応可能なOSやプログラミング言語などがあらかじめ公開されていることが多いです。
まず、案件を提示する前に、フィルタリングしましょう。
公開されているスキルシートをよくチェックしてみて下さい。
対応可能な言語や実績だけでなく、そのプロジェクトでの立ち位置や担当フェーズ、メンバー構成なども参考にすることをおすすめします。
募集したい内容に近い実績があるかどうかチェックしてみて下さい。
案件を提示しても良さそうなフリーランサーであれば、コンタクトを取り案件を提示します。
個人だということもあり、スキルや実績が開示され明確になっていることが多いので、スキルが見合えば早めにコンタクトをとりましょう。
スキルシートのひな形も用意していますので、参考にしてみて下さい。
小規模企業に依頼する場合のチェックポイント
開発者が数名程度の企業に案件を検討してもらう場合、開発者を選ぶこと=その企業を選ぶか否かです。
案件を提示した後、開発企業から提案を受ける際、どのようなメンバーが担当するかの情報を入手しましょう。
下請け企業が含まれている場合もあります。
下請け企業は、個人情報保護の観点から名前までは伏せられているかもしれませんが、少なくとも以下の情報を入手しましょう。
・役職
・本案件での担当フェーズ
・資格(IT系に限らず、場合によっては英語などの外国語力を知る必要もある場合があります)
・担当フェーズの経験年数
案件をシステム開発会社に持ち込み、システム開発会社が開発体制まで提案できるようになった段階で、発注者側の主メンバーは、システム開発会社のエンジニアと必ず直接会話をし、エンジニアの能力を見極めましょう。
エンジニアがシステムを理解しているか、プロジェクトマネージャは責任を持って管理ができそうか、など細かくヒアリングをすることが重要です。
フリーランサーや、小規模企業に開発を依頼する場合には、開発メンバーが案件を正しく理解しており、そのシステム開発するスキルがあるかどうかを見極めることがポイントです。
プログラムのみを外注する場合の流れと重要なポイントはこちらでもご紹介しています。
社外プログラマへ仕事を依頼・発注する方法とは?
プログラマーへ依頼前に共有すべき資料
大中規模システム開発案件の場合のチェックポイント
大中規模システム開発案件の場合、まずは案件を営業に持ち込んでから始まります。
システム開発会社から案件に対応する提案を受けられたら、プロジェクトマネージャに会いましょう。
希望に適した方であれば良いのですが、信頼が置けそうにない方であれば、別の方を紹介してもらえないか営業を通して確認しても良いです。
営業は、仕事を受けたいので応じてもらえることもあります。
大手のシステム開発企業であれば、複数のチームが存在しますので、プロジェクトマネージャは一人ではありません。
プロジェクトマネージャには以下を確認しましょう。
・役職
・資格(IT系に限らず、場合によっては英語などの外国語力を知る必要もある場合があります)
・マネージングしたプロジェクト数
・本プロジェクトに類似したプロジェクトの経験数
・質疑応答での印象(システムの基本事項を理解しているか、コンティンジェンシープランを考えているかなどを聞いてみましょう)
蛇足ですが、「プロジェクトマネージャ」という役職は通常ありません。役職ではなく、役割です。
資格は、Project Management Professional(PMP)を持っているのが理想ですが、資格よりは現場経験を優先させて判断しましょう。
大中規模システム開発の場合、プロジェクトマネージャーの采配はプロジェクトの成功を大きく左右します。
妥協せず、営業担当者を通じてよりより人材を探してみて下さい。
発注企業と開発者が対等な立場で取り組めること
システム開発のプロジェクトは、発注側と開発者がWin-Winの関係になるのがベストです。
しかし、現実では何らかの問題が発生し、どちらかにしわ寄せがあるかもしれません。
常に下手に出てきたり、常に上から目線であったりする開発者は信頼できません。
双方が対等関係であるべきです。
そのためには、発注側もある程度のリスクマネジメントが必要であり、開発者に対して高圧的な態度をとってはなりません。
システム開発を依頼する際の会社選びの6つのポイントの記事で発注するまでの工程をご紹介していますので合わせて参考にしてみて下さい。
まとめ
今回は、発注先の会社を選ぶのではなく、人材を選ぶという観点から、人と人との関係でのチェックポイントをご紹介いたしました。
依頼する開発者の規模別に、チェックすべきポイントを押さえ、対等な立場でプロジェクトを成功させることができる相手を選びましょう。
過去事例、要求スキルに適合する人材が最も安全なのですが、多少未経験の領域のシステム開発であったとしても、その人材にやる気があるのであれば、候補とするべきです。
開発者としては、案件を発注者の要望通り達成することは最低限のミッションですが、自身の成長も求めていることが多いです。開発者が自信を持って受けられると言っている案件であれば、依頼を考えても良いでしょう。開発者のモチベーションが上がれば、今後の案件においても良い関係が構築できるはずです。
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