ビジネスにおいて、データはお金や人と同じように重要な資産です。かつては一定数のサンプルのみを調査してデータを取得していましたが、インターネットの普及に伴い膨大な量のデータ、ビッグデータを瞬時に取得できるようになりました。現在ビックデータがどのような場面で活用されているのかご紹介します。
ビッグデータとは
2010年頃から一躍トレンドワードとなったビッグデータ。ビッグデータとは通常のデータベースでは処理できないほどの膨大なデータのことです。
市販されているデータベース管理ツールや従来のデータ処理アプリケーションで処理することが困難なほど巨大で複雑なデータ集合の集積物を表す用語である。その技術的な課題には収集、取捨選択、保管、検索、共有、転送、解析、可視化が含まれる。
引用：WikiPedia
この膨大なデータを分析し、別の小規模データの集合体と比較することで、未来の予測に役立てることができるのです。
インターネットビジネスで活用されるビッグデータ
ビッグデータの活用が早かったのは、やはりインターネット関連のビジネス、つまりECの分野です。
大手検索サイトでは検索によって蓄積されたデータを背景に、検索された語句と関連性の高い広告が表示されるサービスを行なっています。また大手ショピングサイトでは、購入履歴や会員のデータを基に、その人にあった商品を提案することで販売促進につなげています。
これらは特別新しい高性能のハードウェアやソフトウェアを使用するのではなく、膨大な顧客情報を「資産」として活用している事例です。今後は、日々ビッグデータとして蓄積されていく顧客の消費性向を、マーケティングやサービス開発の分野で当たり前のように活用する時代になるでしょう。
社会インフラにも利用されるビッグデータ
企業の顧客データと異なり、社会インフラの分野に集まるデータは、社会システムの安定化や効率化、さらには社会実験にも使用されています。
例えば、カーナビゲーションシステムのGPSデータやETCのデータを、ビッグデータとして活用しています。交通量のデータと連動することで、渋滞予測やサービスエリアの設置に役立てることが可能です。
さらに自動車での移動時間や稼働時間が短縮されることで、CO2排出量の低減にも効果を発揮しています。
また、急ブレーキが多いポイントを抽出して道路の改良工事や改修工事を行うなど、道路インフラの整備にもビッグデータが活用されています。
１次産業の現場で活用されるビッグデータ
気象や土壌、作物の育成状況、市場での価値変動など、1次産業は膨大なデータの塊でもあります。さらに人間の生活に最も身近で影響が大きい、「食料」に直結するデータですから、重要性は言うまでもないでしょう。
1次産業というと、そのアナログなイメージからIT化が遅れているように感じるかもしれません。しかし現在では、気象データと市場価格との関連性を把握して出荷時期を決めたり、農地に取り付けた気象センサーのデータを利用して収穫量の増加を図ったりなどして、生産性・収益率を向上させるためにビッグデータが活用されています。
医療の現場で活用されるビッグデータ
従来、カルテや投薬のデータ・検査データなどの医療データは、それぞれの病院で保管されていました。
そのため、複数の病院で同じ箇所を検査したり、二重に投薬したりというようなオペレーションミスの温床となっていることが課題でした。この医療データを各医療機関をまたいで統合し、さらにビックデータとして管理され始めています。
多くの病院や薬局が医療に関するビッグデータを共有することにより、無駄な治療や投薬がなくなり、医療費の削減に効果を発揮します。また、医療ミス・投薬ミスの防止や遠隔治療にも役立っています。
これからのビッグデータ活用
今後は多くの分野でビッグデータの活用が必須になるでしょう。
営利企業だけではなく、官公庁や民間団体、さらには教育機関でもビッグデータを活用していくことになると予想されます。
近い将来、ハードウェアとソフトウェアの進歩によって、中小企業や個人レベルでもビックデータに触れることができるようになるかもしれません。インターネット上には、活用可能なデータが膨大にあり、日々それは天文学的な数字で増え続けています。
膨大なデータの中から任意の特異点を発見し、それをサービスや製品として具現化していく。ビッグデータが生活全体を循環しはじめ、それが人間社会の生活をより豊かにする原動力となる時代がもうすぐそこまで来ているのかもしれませんね。
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